Quicktakes エピソード005
長時間を職場で過ごし、座り仕事や負担のかかる姿勢で仕事をしている人は多いのではないでしょうか?そうした環境での仕事は、筋骨格痛などの様々な症状を引き起こし、みなさんの健康に悪影響を及ぼしている恐れがあります。
この記事では、職場での筋骨格痛や筋骨格系の不快感を予防・改善するためのストレッチの効果を検証した興味深い論文を、エダンズの誇る健康・医学のエキスパート、ピーター・ミロヴァノヴィックが紹介する様子をお届けします。ピーターが考えるランダム化比較実験(RCT)を実施するためのTipsも必見です!
最新研究をオリジナル動画で解説!
動画を見る
筋骨格痛の予防・改善にストレッチは効果的?医学の最新研究をエダンズのエキスパートが解説!
英語プレゼンの参考に!ネイティブの発音で研究を語る
ポッドキャストを聞く
研究の要点+エキスパートTIPSで深掘り理解
じっくり読む
解説のポイント
- ■ ストレッチが及ぼす筋骨格痛への影響
- ■ ランダム化比較試験のデザイン
- ■ アカデミックな研究の現実世界への貢献
- ■ 優れたサンプリング戦略を設計するためのコツ
この研究の背景は?
筋骨格痛や不快感が生じる原因は?
筋骨格痛や筋骨格系の不快感は、ある日突然やってくることがあります。実はその原因は、日常の労働環境や体勢に関連するものが非常に多いと考えられます。実際にこの研究では、職場で働いている人のうち、約50%が筋骨格痛や不快感を持っており、その内さらに約20%はその痛みや不快感が仕事の能力に影響していると考えていることが報告されています。
エキサイティングな研究手法・結果とは?
ストレッチは筋骨格痛改善に効果あり!
この研究では、職場における筋骨格痛や負担を軽減させるための介入として、昼休みの全身のストレッチエクササイズに着目しています。参加者はランダムに2つのグループに分けられ、週に3回、6週間にわたり、片方のグループは昼休みに30分間の全身ストレッチエクササイズを行い、もう片方のグループには職場の安全に焦点を当てた教育プログラムを施しました。
研究の結果、ストレッチを行ったグループの筋骨格痛や身体的負担は、他方のグループよりも顕著に減少したことが示されました。
専門分野内外へ、研究がもたらすインパクト
労働環境の改善に大きな示唆
今回の研究結果は、ストレッチが筋骨格系に生じる問題の予防・改善に効果的であり、労働者の生活の質や仕事効率の向上につながることを示唆しています。アカデミックな内容に留まることなく、実際の施策として検討されることに期待がかかります。
エダンズのエキスパートが、独自の視点で切り込む!
RCTのサンプルは属性の分散を考える
ピーターは、従来の類似の研究が産業労働者を対象とした研究とは異なり、この研究が病院のスタッフを対象としている点を評価しています。一方で、この研究の被験者の多くが35歳から40歳の間の年齢であったことを指摘し、「ストレッチプログラムがその他の年代のスタッフにも有効かどうかも興味深いですよね。」と、外的妥当性を今後の研究で取り組むべき課題として提示しました。臨床試験の実施計画については、こちらの記事もご参照ください。
いかがでしたか?今回は筋骨格痛や不快感に対するストレッチの予防効果を検証した論文を、エダンズのエキスパート、ピーター・ミロヴァノヴィックが解説しました。今後も興味深い研究について発信を続けていきますので、お楽しみに!
他のエキスパートのコメント
ティナ博士
週に3回、30分のストレッチを行うだけで、病院スタッフの体調にこれほど大きな違いが出るとは驚きです。このような研究結果が病院の労働環境に取り入れられることを願っています。スタッフが幸せになれば、患者も幸せになるはずです。