科学研究関連の学会で展示するポスターは、文書や要約の提示というより、ネットワーキングやコミュニケーションのツールとして考えましょう。そうすることで、参加者を惹きつける学会ポスターを作成する大きな一歩を踏み出したことになります。そして、他の発表者から羨望の眼差しを浴びることでしょう。
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科学・研究関連の学会でのポスター発表には、次のような効果があります。
- 自分の研究内容をビジュアルに示し、説得力のある文章で表現する
- 会話のきっかけを与える
- 注目を集める絶好の機会を提供する
適切に作成されたポスターを使った研究発表では、次のことが可能になります。
- 仕事やプライベートでの貴重な人脈作りに役立つ
- なぜ自分の研究内容が重要なのかを迅速に説得力を持って伝える
- 多くの発表者の中で際立つ存在になる
ポスターの出来が悪ければ、何の成果も得られません。参加者が単に通り過ぎるのではなく、立ち止まって注意を向け、交流のきっかけとなるものでなければなりません。
ポスター発表を上手く演出しましょう。サイズ、フォント、スタイル、トーン、ツール、およびポスターの例を次にご紹介します。
本ブログでは、次の内容について説明します。
- 学会ポスターが使用される場とその理由
- 学会ポスターを計画・作成する際の目的と留意点
- ポスター発表を活用して、研究者がより効果的に情報を提供し、人脈を築く方法
- 学会ポスターに掲載する内容と際立つポスター作成に役立つソフトウェアツール
- ポスター作成の際に犯しがちな誤り(特に英語を母国語としない人)とそれらを回避する方法
- 人目を引き、効果的で現代的なポスターの具体例
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ポスターセッションとポスター発表とは?
学会では、演台の前に立って自分の研究を発表するプレゼンテーションのセッションがあります。また、一般に ポスターセッションと呼ばれるネットワーキングのセッションがあります。
研究者の方はおそらく、研究者のポスター(研究内容を図や写真でまとめたもの)を貼り付けたボードがホールやロビーにずらりと並んだイベントにご参加の経験があるのではないでしょうか。そのようなイベントは、他の研究者や著名な参加者に自分の研究をアピールする良い機会です。
イベントによっては、食事が提供されることもあります。そのため、ポスターセッションでは、片手に飲み物を持ち、もう片方にパンフレットや書類の束を持って歩く人を見かけるかもしれません。
ポスターセッションでは何をすべきか?
まずは、自分のポスターのそばに立つか、または、歩き回って他の研究者のポスターを見て、交流することもあるでしょう。ゲストもポスターを見て回り、時には立ち止まって参加者と言葉を交わします。
これは、ステージでのプレゼンテーション(行った場合)とは別に、自分の研究に興味を持ってもらうチャンスの場です。
研究者の方々は、いわゆる営業活動のようなものに、あまり慣れていないのではないでしょうか。また、知らない人と話すことに大きな不安があるかもしれません。特に相手が著名な科学者の場合は、なおさら話しかけづらいでしょう。
そのような場合でも、あなたのポスターがコミュニケーションのきっかけとなる鍵の役目を果たしてくれるので、心配には及びません。
研究ポスターの目的
ポスターの目的は、科学学会でポスターの前を通りかかった参加者の関心を引くことです。ポスターは、大きな紙の提示ボードであり、ネットワーキングツールでもあります。
簡単に言えば、学会発表用ポスターは、最近の研究成果、つまり記事や進行中の研究、または提案書などをグラフィカルに表現した大きな提示ボードです。
さらに、ポスターは参加者の関心を促すツールでもあります。参加者に立ち止まって見てもらい、関心を持ってもらうためには、ポスターは文書というより、プレゼンテーションのスライドのように扱うべきです。
優れた研究ポスターは人目を引き、内容が明確に表示されています。ですから、ポスターを見た人がその内容に関心を持ってくれれば、見事に使命を達成したことになります。
誰かがあなたのポスターの前で立ち止まったら、研究者として自信を持って話しかけ、会話を始めてみましょう。ポスターがあるからこそ、これが可能になるのです。
ポスターですべきではないこと
エダンズでは、多くのポスターの英文校正サービスを行っており、専門家にふさわしい高いレベルのテキストに仕上げます。しかし、英文校正だけではなく、十分に目を引く研究ポスターにするには、科学的根拠に基づいた、正確で分かりやすいポスターを作成する必要があります。エダンズでは、研究の新規性と意義を一目で伝える事が出来る、ポスター作成の支援も行っています。
議論を誘うような興味深い科学テーマを取り上げている場合でも同様に、あまり人々の興味を引くものになっていない場合があります。これらの作成者は、ポスターを巨大なアブストラクトに1〜2枚の図を加えた程度のものと捉えているようです。
ポスターの文字数が多すぎることや、数字やデータをたくさん詰め込みすぎていることがよくありますが、その多くは、体裁に問題があり、読みにくく、理解しにくいものになっています。
学会のポスターは、すべてのデータや掘り下げた分析を示す場でなく、最新の論文に書いたすべての詳細は必要としない事を覚えておいてください。
しかし、論理的な構成と視覚的に魅力的な何かが必要です。
ポスターは、研究の内容を細部まで伝えるものではなく、参加者の注目を集め、会話のきっかけを作るためのものです。そのことを念頭に置いて、準備を進めましょう。
では、学会ポスターには、どのような内容を含め、どのように作成するのでしょうか?
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学会ポスターには何を掲載するのか?
学会発表用ポスターの全体的な構成や流れは、研究論文の作成手順によく似ています。
ポスターの主な構成要素
クリエイティブディレクターとして名高い故ポール・アーデン氏は、次のように述べています。
“The more strikingly visual your presentation is, the more people will remember it. And, more importantly, they will remember you. (際立ったビジュアルであればあるほど、人々の記憶に残るプレゼンテーションになります。そして、さらに重要なことは、人々はそのプレゼンターのことを忘れません。)
これは広告にも、学会ポスターにも当てはまることです。ポスターには、テキストとビジュアル要素が必要です。それらをどのように使用するかによって、成功が左右されます。
ポスターで使用するテキスト
ポスターには通常、次のようなテキストが含まれます。
- 研究のタイトル
- 作成者と所属機関
- イントロダクションと背景
- (任意) 質問事項、ナレッジギャップ(未知の領域)
- 材料、材料および方法、または患者
エダンズの校正のエキスパートが常に推奨していることですが、論文と同様で、学会発表用ポスターでも同じことが言えます。
論文とポスターにおける主な違いは、ポスターでは、文法ルールに厳格に従う必要がないことです。不完全文が多少入っていても問題ありません。箇条書きを推奨します。
ただし、常に学術的に保つ必要があり、スラングや絵文字を使って良いというわけではありませんので、ご注意ください。
文章の長さは、300〜800ワード程度を目安とします。それを超えると、フォントが小さくなりすぎて読みにくくなったり、文字を詰め込みすぎになる可能性があります。
ワード数に関しては、300〜800程度が適切という意見がほとんどですが、ポスターを一字一句読む人はほとんどいないという理由から、100〜150ワード程度でも良いという意見もあります。明確な要点がひとつしかない場合は、ワード数の少ないアプローチで、画像を中心とした見栄えの良いポスターで主旨を伝えるのもよいでしょう。
可能な限りやるべきこと
- できるだけ短く、多くの人が理解できるような>「平易」な表現にする。
- 受動態(例:…was found by…)ではなく、能動態(例:We found…)で表現する。
- 自分が対象とする人々に適した言葉を使用する。対象者が理解できるのであれば、専門用語を使用しても構わない。
- 可能な場合は、箇条書き(このリストのように)や番号付きリストにする。
- 一般的でない頭字語(HIV-AIDSやNGOなど)は、最初に使用するときにスペルアウトする。
「やるべきことは理解出来たけど、それらをポスター作成に取り入れるには時間が足りない!」そのような多忙な研究者には、エダンズエキスパートが、洗練された内容とレイアウトで、オンラインでも対面でも分かりやすい研究発表を可能にする、優れたポスター作成をお手伝いします。
ポスターのビジュアル要素
ポスターには、テキストに加えて視覚的な要素(ビジュアル要素)を必ず含めてください。文字だけのポスターは、アブストラクトを巨大サイズで印刷するようなもので、メリットはありません。
例えば、文字だけの提示板が人目を引くとは思えません。同様に、文字が95%~100%を占めるポスターについても、あまり読む気になれないと言えるのです。
ポスターに作成にあたって、考慮すべきこと
以下は、ポスターに何をどのような体裁で載せるのかを決めるのに役立ちます。
- これだけは伝えたいと思う最も重要な研究成果は何か?(複数でもよいが、なるべく少なくすること)
- 自分の研究を学会参加者とビジュアル的に共有するにはどうすればよいか?(例:チャート、グラフ、写真、図、ホログラム)
レイアウト調整とビジュアル効果
ポスターに掲載する内容(テキストと画像)が決まったら、レイアウトを考える必要があります。
スケッチ
まずは作成しようとしているポスターを、スケッチしてみるのもよいでしょう。Apple NotesやGoogle Keepなどのメモアプリを使用して、手書きで簡単にスケッチできます。他にもクラウドやローカルで利用できるソフトウェアが多数あります。
もし、それらのソフトウェアを使いこなせる方は、使用することもできますし、共同作業者がいる場合は、クラウドベースのプラットフォームを利用すれば、離れた場所からでも共同で作業が行えます。この作業を行う場合は、自分にとって最も適した方法で実行してください。
横長か縦長か
ポスター発表では、横長のポスターが使用されることが多いですが、特にルールはありません。参加する学会で特定のガイドラインが定められていない場合は、以下の最も一般的なサイズを参考にしてください。
論理的な順序で配置する
英文は左から右へ、上から下へと書かれています。したがって、テキスト配置もその流れに沿う必要があります。
通常、学会発表用ポスターの上部には、タイトル、作成者名、所属が入ります。次に、見出し機能(HTMLのH2、H3、H4…、Wordの見出し1、見出し2…など)を使用して別枠で設定します。これらの見出し設定は、上記に示した単純なアブストラクト形式の構造になりますが、 これらに特定の小見出しを追加することもできます。
ジャーナル投稿とは異なり、ポスター発表は、学会からテンプレートや特定のガイドラインが提供されていない限り、自分でルールを決めて構いません。
段組み、配置、間隔
学会ポスターは通常、2~4の段組みで構成されます。これらは揃える必要がありますが、ビジュアル要素が数段にわたっていても問題ありません。ただし、テキストをできるだけきちんと揃えるようにしてください。
一般的に、左揃えの方が読みやすくなりますが、見出しは中央に配置した方が見栄えがよくなります。
サブセクション間や画像の周囲には余白を設けます。
これらの例では、テキストがかなり多くを占めていますが、実際のポスターでは、それほど必要ないかもしれません。また、配置を複数のスライドやブロックで構成することも可能です。このアプローチでは、PowerPointやGoogleスライドで各セクションを作成して、複数のスライドを貼り付けて1枚のポスターを作成できます。
縦長ポスターの例も含めた、別の構成の例は、次の通りです。
上の2例は、型通りの構成なので、これで失敗することはないでしょう。とは言っても、21世紀の現代では、ガイドラインがなければ、もっと大胆な構成にしてみるのもよいでしょう。あえて言うなら、ディスラプションを起こしても構わないのです。さらに詳しく説明します。
色とフォント
背景は真っ白か、目立たない程度の微妙なグラデーションが適しています。テキストは明確で読みやすいものにする必要があるため、余分な要素は含まず、表や図は見てすぐに理解できるものでなければなりません。
英文では、ArialとTimes New Romanが標準フォントです。学会ポスターで使用するフォントは、工夫を凝らすほどのものではありません。その他、以下のフォントも無難と言えます。
- Calibri
- Cambria
- Georgia
- Helvetica
- また、少し個性的なフォントにこだわるなら、Lato、Noto Sans、Poppins、Merriweatherは、他と差を付けつつも、読みやすさを維持できるでしょう。
Centuryフォントは、日本やおそらく他のアジア諸国ではかつてMS Wordのデフォルト英文フォントになっていたようですが、使用しないようにします。なぜデフォルトフォントとなっていたか理由は定かではありませんが、これは見栄えが悪いフォントと言えますので、ポスター作成には、先に提案したいずれかのフォントを使用するようにしてください。
もし、ポスターを可愛いらしく、面白く見せたいと思っも、Comic Sansや筆記体フォントなどの装飾的なフォントは絶対に使用しないでください。わずかな笑いを誘うこともあるかもしれませんが、9割の参加者はそれらのフォントを使用したポスターには、決して関心を示さないでしょう。
アジア圏のポスター作成者は、特に注意
英文ではアジア系のフォントは使用しないでください。
これは、論文やその他の記事で頻繁に目にします。アジア系のフォントは、幅の広い文字に対応するように異なる間隔で設計されているため、英文テキストが不均衡でぎこちない感じになります。これによって違和感が生じ、マイナスの先入観を持たれてしまいます。
- 中国の作成者は、SimSun(新宋体)などを避けましょう。
- 日本の作成者は、MS明朝やMSゴシックなどを避けましょう。
- 韓国の作成者は、Malgun Gothic(マルグンゴシック)を避けましょう。
印刷
マット紙を使用し、これをボードに貼り付けます。また、キャンバスや布に印刷することで、洗練された感じを演出することもできます。これにより、折りたたんでスーツケースに入れたり、丸めて筒に入れたりして、持ち運びが簡単になります。
シルクはたるみや歪みの原因になるので避けましょう。また、耐久性に欠けます。
特に、表面に光沢のある素材は、光を反射する可能性があるので避けましょう。反射してしまうと、ポスターを読んでもらえません。ラミネート加工についても同様です。紙を保護することはできても、読みやすさが損なわれてしまうからです。
“Fabric posters are a great idea. Typically I use cotton. Spend a bit extra to get yours printed on fabric. It’s much more convenient than traveling with a poster tube and you’ll save yourself some sanity at the conference.(布地のポスターはおすすめです。私は通常、木綿を使っています。多少奮発して、布に印刷しましょう。ポスター筒を持って移動するよりも、はるかに便利です。そして、学会の場でも平常心を保てます)”
— Jacqueline Tudball, PhD
Edanz Author Guidance Consultant
学会ポスターに掲載すべきではないものは?
参加者がポスターを見るのに費やす時間は、たったの1~2分かもしれません。そのため、言わんとすることがすぐに理解できるポスターにする必要があります。
決してやってはいけないこと
- 画像、表、グラフの多用 ー 主なものをだけ使用して、簡単な説明をつけましょう。
- 小さすぎて読みにくい文字 ー 本文は1メートル離れた所から、見出しは3メートル以上離れた所から難なく読めるかを確認しましょう。
- 参考文献の引用の多用 ー ポスターの情報に関して重要なものだけを引用しましょう。
- 人目を引く画像を複数載せる ー これは1つで十分です。
- 意味をなさない写真 ー 画像は主旨を伝えるものである必要があります。
- 暗い背景に明るい文字 ー 目に負担がかかります。
- ラミネート加工やコート紙の使用
学会ポスターの作成に使用するソフトウェアは?
使い慣れたソフトウェアを使用してもいいし、これを機にデザインのスキルを高めるのもよいでしょう。他の研究者と共同作業する場合は、クラウドベースのものを使用します。主要なソフトウェアパッケージにはクラウド版も備えています。中にはとりわけ優れているものもあります。
ほとんどのツールには、便利なポスターテンプレートが備わっています。
PowerPoint
PowerPointは、学会ポスター作成の際にも、非常に便利なツールです。最初にスライドのサイズを設定してから、必要な要素を追加していきます。1枚のスライドにすべてを掲載する方法と、各セクションを別々のスライドを作成し、印刷して貼り付けることで1枚のポスターにする方法があります。
Microsoft 365 スイートを使用すれば、PowerPoint をクラウドベースで使用できるので、研究チームのメンバー全員はどこからでも作業できるようになります。ただ、使いやすさの点では、Microsoft 365では、同時に複数の人間が作業するのは困難なため、依然としてGoogleワークスペースには及ばないことを心に留めておきましょう。また、MicrosoftスイートはGoogleとは異なり、すべて有料です。
こちらにあるPowerPointのポスターテンプレート集は、無料で利用が可能です。
Google Slides
ライド
GoogleドキュメントとGoogleスプレッドシートがMicrosoft WordとExcelのクラウド版であるように、GoogleスライドはPowerPointのクラウド版です。クラウドベースなので、PCや場所を選ばずにプロジェクトに取り組むことができ、チームはリアルタイムで共同作業できます。また、PowerPointのpptとpptxファイルを読み込むこともでき、通常、全く問題なく変換できます。
特記すべきは、無料であることです。そして、PowerPointに比べてほぼ劣る点はありません。しかし、よりデザインスキルが高い人にとっては、Adobeが最適かもしれません。
Adobe Illustrator
Adobe Illustratorは、画像の加工とポスターのデザインの両機能で長年使用されてきたソフトウェアです。現在では、Photoshopも含まれる Adobe Creative Cloud スイートの一部となっています。
Illustratorでは、あらかじめポスターのページサイズを設定し、テンプレートを使ってベースを作成することができます。
このソフトウェアは、幅広いパブリッシング機能を備えた設計のため、オブジェクトの位置を簡単に移動できます。使いこなせるのであれば、利用しましょう。ただ、留意すべき点は、.aiファイルは他のソフトウェアと互換性がない可能性があることです。また、このソフトウェアは有料です。チームでポスターのデザインに取り組む場合は、メンバー全員がIllustratorを所有し、使いこなせる必要があります。
Adobe InDesign
Adobe InDesignは、実は20年以上も前に発売されたソフトウェアです。ところが、ロイヤルユーザーの獲得までには、長い年月がかかりました。現在では、多くのプロのデザイナーが、その豊富なオプション製品に頼っています。
特に出版物で大量のテキストを扱う場合、InDesignは大規模な商用ソフトウェアとしては最も優れた製品かもしれません。
出版社やデザイン事務所では、Adobe InCopyと組み合わせて使うことが多いようです。Adobe InCopyは、コピーライターや編集者などの文字を中心に扱う職種の人々がより簡単に、直観的に操作できるソフトウェアです。
こちらから、InDesignでのポスター作成に役立つPDFファイルにアクセスできます。
Canva
ポスター作成の目的ではあまり一般的ではありませんが、 Canvaを使用し、デザインの初心者でも視覚的に魅力的なデザインを作成することも可能です。
Adobeのソフトウェアほどの複雑さや機能はありませんが、Canvaの魅力は、非常にユーザーフレンドリーであることと、テンプレート、カラーパレット、フォント、ドラッグ&ドロップなどの機能が備わっていることです。
Canvaは、基本機能が無料で利用できますが、有料プランに登録することで、膨大な画像のライブラリーや他のサービスを利用できるようになります。
使用すべきではないソフトウェア
Microsoft Wordは、子供の頃から長年使用してきた、なじみ深いソフトウェアかもしれませんが、学会ポスター作成には最適なソフトウェアではありません。
確かに、Wordでも学会ポスターを作成することは可能です。
しかし、オブジェクトを必要な場所に自由に移動したり、マルチメディアを扱ったり、解像度や色を調整したり、鮮明で魅力的なポスターを印刷したりするのは簡単とは言えません。
Wordのドキュメントでポスターを作成することで、文書構造が複雑になり、複数の要素があると、レイアウトが崩れてしまう傾向があります。
また、Wordはもともとテキスト文書を作成するためのソフトウェアのため、それらのツールは、論文を書く際や、 質の高い記事を多数作成する際の使用にとどめ、ポスターの作成には、上記の推奨ソフトウェアのいずれかを使用するようにすると良いでしょう。
印刷と調整
どのソフトウェアを使用するにしても、ポスターを印刷して壁に貼り、5~6メートル離れたところから見てみましょう。パソコンの画面で見るのとは全く違って見えるはずです。
遠くから確認後は、必要に応じて調整するようにします。
優れたポスターの例
ここで、さまざまな優れた要素が見られるポスターの例をいくつかご紹介します。
1枚目のポスターは、端的かつ整然としたデザインで、フォントはTimes New Romanを使用しています。余白も十分に取られ、3つの段組みで構成されており、テキストの量も適切です。また、3つのシンプルなチャートと写真もバランス良く配置されています。
2枚目のポスターは非常に効果的なデザインで、パステルカラーの各ブロックには、たくさんのテキストが含まれており、余白も適切に設けています。そして、特に目を引くのは大きな魚です!
ポスターを作成する際は、これに匹敵するような効果的なデザインを考えか、デザイナーに依頼して、人目を引くポスターを仕上げてもらうことも可能です。
【PhDからのアドバイス】成果を生む学会ポスター作成とは
学会発表用ポスター作成の秘訣をいくつかご紹介します(順不同)。
- ポスターのガイドラインがあるかどうかを確認してください。ガイドラインは、学会誌を見るか、学会事務局に直接聞いてみましょう。
- ポスターに掲載しきれないほど多くの情報を伝えたい場合は、A4またはレターサイズの紙に補足資料を印刷して準備しておき、関心を示した人に渡しましょう。
- スポンサーや他の人々の名前の掲載は最低限にとどめます。ポスターは、科学を主体としたものであることを念頭に置いてください。
- すべての視覚的要素には、必ず凡例や短い説明をつけましょう。
- 背景とテキストにはコントラストが必要ですが、色の不調和に注意してください。Googleで「カラーコントラストアナライザー」を検索して、適切な色の組み合わせをチェックしてみましょう。Canvaでも、推奨される色の組み合わせを多数提供しています。
- ピン、テープ、マジックテープなど、必ず自分で準備し、持参しましょう。
本ブログが、ポスター作成のお役に立てば幸いです。もし、ポスターを専門家にふさわしい科学英語で仕上げたい場合は、エダンズにお気軽にご相談ください。
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