論文を読めば読むほど、書くことも上達します

エディター、レビューアー、その他の読者は、論文のどこに何が書かれているか、ある程度予想して論文を読みます。もし読もうとした情報が、あるべきところになければ、途中で読むことを止めてしまうこともあります。したがって、ジャーナルの論文が通常どのように書かれているか、よく知っておく必要があります。

他の研究者の論文を読むことは、どのように論文が書かれるべきかを知る良い手段です。徹底的に読むことから、学術的かつ科学的な英語論文の執筆スタイルを学ぶことができ、執筆に際して良い手本となります。英語論文が通常どのような構成で書かれ、どのような言葉が使われているか、またどのように自分の論理を組み立て、支持するかを学ぶことができます。

もし、読みやすい論文を見つけたら、なぜ読みやすいのか、考えてみましょう。

  • 受け身 (“Y was shown by X”)ではなく、能動態(“X showed Y”) が使われているか?
  • 簡潔な文章になっているか?
  • 特別な用語や略語が定義されているか?
  • 抽象的な概念が、明確で具体的な例を使って説明されているか?
  • 異なる内容ごとに、別のパラグラフにロジカルな順序で書かれているか?
  • 論文のセクションが型通りの順序に整理されているか?

上記のテクニックは、執筆の際に使うことが出来ます。反対に、読みにくい論文の場合は何が読みにくくしているのか、考えてみてください。長いセンテンスや複雑な言葉づかいを使っているかもしれません。また著者自身が、考えをロジカルに整理できていないのもしれません。このような誤りは避けて、世界中の読者に自分の考えを明確に伝えましょう。

投稿論文を執筆する際、斬新な書き方をする必要はありません。現存する論文を踏襲すればよいのです。あなたの研究分野で一般的に使われている語彙と論文の構成を使えば、読者はあなたの論文から求めている情報を容易に見つけられます。

他の研究者の執筆法を学ぶことは重要ですが、使われている文章をそのままコピーすることは出来ません。もし、他人の文章をコピーした場合、盗用の問題が出てきます。盗用については、後の倫理についての記事にて詳しく説明します。