科学研究論文の表示項目やイラストは、研究成果の発表に使われ、表や図で構成されています。後者は、グラフや写真、絵、医療画像、図解やチャートを含みます。出版の世界では、すべてのイラストは、通常『フィギュア』と呼ばれています。
フィギュアは通常、大量のデータを、簡潔で効果的な方法として用いられます。同様に、文字も研究成果発表に使われます。事実、簡単な言葉や、一文で説明できるシンプルな成果は、文字によって最もよく表現されます。フィギュアによって表現される、最も関連した発見を記述または説明している文中の箇所において、フィギュアは常に引用されなければなりません。
表(Tables)
表(Tables)は一般的に、傾向やパターンといった、定量的情報よりもむしろ、大規模な質的データまたは量的データそのものの正確な値を表すために用いられます。 表は、方法(Methods)や結論(Results)からの情報を要約するのに使われます。表を準備する時は、表はそのものだけで、自明でなければならず、つまり、表は完全に包括的で、論文の読者が論文のメイン文章(テキスト)を読まなくても、表を見るだけで著者が伝えたい事が説明できるということです。そして、表の番号は必ず連続した番号になるようにしましょう。
表のタイトル
表のタイトルは、簡潔で、記述的で、具体的であるべきです。タイトル は、通常完全なセンテンスではなく、フレーズで書かれ、句点など最後の符号は付きません。ジャーナルのいくつかは、タイトルの語数に対して具体的な条件があるので、タイトルを考える際は、目標ジャーナルの著者向けのガイドラインを必ず確認しましょう。多くのジャーナルは、表に短いタイトル(通常15ワード以下)をつけることを要求していますが、追加説明を脚注フォームに書くことが出来ます。タイトル は、表から得られた結論 の説明になってはいけません。その情報は結論セクションの文章でのみ発表されるべきです。
表の長さ
二頁以上にまたがる大きな表を使うことは、避けましょう。通常、そのような大きな表は、一頁につきひとつの表となるように、二つの表に分けて載せます。もし表の分割が実行不可能な場合(もし、あなたの目標とするジャーナルが認めるなら)その表を補足資料として提出することも考慮してみましょう。
ジャーナル編集者とレビュアーは、しばしば、まずは早い段階で表を見ます。なので、表は、それ自体で独立し、自己完結したものでなければなりません。メインとなるイラスト的項目やラベルを除いて、全ての図表には、番号、タイトル、ラベルを説明する記述(説明文:Legend)、特別な情報を説明する脚注、略語、シンボル、統計が必要になります。関連する図表を、一つのマルチパネル図にグループでまとめることが出来ますが、必ず番号付けや、パネルへの記載を行い、説明文(Legend)の中の説明を参照させましょう。
表の構成
表は、行と列から成り、行と列に一致する見出しをつけます。列の見出しは、その下に来るものを表し、記述的且つ簡潔で、構文的に統一性がなれればなりません。行の見出しは表の最も左の列に書き、 各行の状態を表します。変数のための計測単位は、データ欄(セル)に入力するのではなく、見出し部分に含めるべきです。
表のデータ
データ・セルは、表の主要な部分です。特に値を丸める場合やP値を報告する場合を含め、データは矛盾なく表現されなければなりません。表の脚注は、表中の略語や、その他の関連データの説明に用いられます。
データ・セルでは、空欄や、不必要な要素を含めるべきではありません。 略語は次の例のように、必ず説明をするようにしましょう。
- 良い例:NA (not available), ND (not done)
- 悪い例:‐(ハイフン), / (スラッシュ), 0(ゼロ)
データの矛盾や、統計に用いられた方法も、同じく脚注に含めなければなりません。ジャーナルによっては、特定の脚注の記号を特定の順に付けるよう、要求しています。その他のジャーナルは、小文字を利用するように指示しています。星印(アスタリスク)(*) は、通常、統計的な有意性を指し示すために用いられます。あなたが使う表記法にかかわらず、記号と略語は脚注で定義していなければなりません。
ジャーナル固有の規定
表を作成する時は、目標ジャーナルのガイドラインに沿うものになるよう、常にAuthor Instruction (著者への指示)を注意深く読むようにしましょう。 いくつかのジャーナルは、表をスプレッドシート形式で作成することを認めていますが、確かでない時は、ワープロソフト内の表作成機能を使って作成しましょう。表を作成する場合、パソコンのタブや、スペースバーを使うのは。やめましょう。
表に対する必要条件は、各々のジャーナルで異なりますが、通常、過度にグリッド線を使うことは、表が雑然に見え、解釈が難しくなるため、推奨されません。いくつかのジャーナルは、表における縦の罫線を書いてはいけないとしていますが、別のジャーナルでは、縦横、全ての線を表示しなければならないとしています。表においては、通常、ダブルスペース(行間を1行空ける)ことが求められますが、いくつかのジャーナルでは明確に規定していません。出来る限り、表は簡潔にし、色、太字、斜字やハイライトは避けましょう。ほとんどのジャーナルでは、冊子体か、電子ジャーナルに関わらず、表は白黒のみで出版されます。
よくある間違い
- 簡単なデータについて、文章のほうが簡潔に表現できるのに表を使用してしまう。
- 表と文章の両方でデータが重複している:
いくつかの重複は避けられない事がありますが、可能な限り最小限にする努力をしましょう。 - 文中に表を引用していない:
論文を準備する段階においては、修正のために、時々文章が移動したりします、そのため、文中の表の引用部分が誤った順で表示されることがあります。最終確認として、全ての校正と、修正が終わったら、すべての表が正しい順で引用されているか、確認をしましょう。