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エダンズのキャロル博士が解説

論文のタイトルと
アブストラクトで差をつける!
神経性食欲不振症と腸内細菌叢の
関係を検証した最新研究を解説

Quicktakes エピソード011

長らく原因や治療法が模索されてきた神経性食欲不振症。最新の研究によって腸内細菌叢との関連性が指摘されました。

この記事では、Nature Microbiology誌に掲載された興味深い論文「The gut microbiota contributes to the pathogenesis of anorexia nervosa in humans and mice」を、エダンズが誇る生化学・分子生物学分野のエキスパート、キャロル博士が紹介する様子をお届けします。ネイチャー誌で編集経験のあるキャロル博士が伝える、インパクトのあるタイトルとアブストラクトの書き方に関するTipsも必見です!

最新研究をオリジナル動画で解説!

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00:00:導入

130:13:神経性食欲不振症の原因は?

490:49:優れたタイトルとアブストラクトを書くコツとは?

1883:08:最新の技術を活用した方法論

2003:20:腸内細菌叢と神経性食欲不振の関係性は?

神経性食欲不振症の原因は?最新研究で腸内細菌叢の有力性が急上昇!

英語プレゼンの参考に!ネイティブの発音で研究を語る

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研究の要点+エキスパートTIPSで深掘り理解

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解説のポイント

  • 神経性食欲不振の概要
  • 腸内細菌叢に着目した最新の研究の方法論
  • メンタルヘルスと腸内細菌叢の関連性
  • 優れたタイトルとアブストラクトの書き方

この研究の背景は?

治療法が定まらない神経性食欲不振症

神経性食欲不振症は、食事摂取量の減少や過度な運動による体重減少を特徴とする障害であり、死亡率が高いとされています。その原因や治療法に関するエビデンスはまだ不足している中、この論文を執筆した研究チームは、腸内細菌叢との関連性に着目した治療法を模索しています。

エキサイティングな研究手法・結果とは?

マウスとマルチオミクス解析を用いた分析

研究チームは、神経性食欲不振症患者と健常者の血清代謝および腸内細菌叢の違いをマルチオミクス解析で比較しました。さらに、患者の糞便をマウスに移植し、その影響を検証しました。

腸内細菌叢が神経性食欲不振症と関連しているエビデンスを発見

その結果、神経性食欲不振症患者には、食欲やメンタルヘルスの変動と関連して、腸内細菌叢と血清中の代謝産物に顕著な変化が観察されました。また、マウス実験では、神経性食欲不振症患者の糞便を移植されたマウスの食欲が抑制され、体重増加にも遅れが生じることが確認されたのです。

これはすなわち、腸内細菌叢が神経性食欲不振症の病因となり得ることを示唆しています。

専門分野内外へ、研究がもたらすインパクト

新たな治療法の開発へ一歩前進

この研究の結果は、神経性食欲不振症の原因や治療における新しい視点を提供した点で大きなインパクトを残しました。腸内細菌叢が中枢神経システムや食欲調節に与える影響の詳細なメカニズムをさらに解明することで、新しい治療戦略の開発が期待されます。


エダンズのエキスパートが、独自の視点で切り込む!

わかりやすいタイトルとアブストラクトが決め手!

キャロルは15年にわたる医学分野のエディターの経験から、優れた論文を書くには以下の2点がが必要であると語っています。

  • 優れたタイトル
  • 優れたアブストラクト

優れたタイトルの条件は、「明確」で「簡潔」なこと。 今回の研究のタイトルは、ヒトとマウスに言及することで、この研究がトランスレーショナルリサーチであることを明確かつ簡潔に示せています。

また、優れたアブストラクトには、以下の3つに明確な答えが用意されています。  

  1. なぜその研究分野が重要なのか?
  2. 問い・仮説・目標は何か?
  3. 研究の進展を示す「テイクホームメッセージ」は何か?

この論文では、まず神経性食欲不振症の死亡率が高いことを挙げ、研究の重要性を示し、イントロダクションセクションで、問い、仮説、目標を提示しています。また、「神経性食欲不振症が 腸内細菌叢の乱れに起因する可能性がある」という明確なテイクホームメッセージも持っています。 加えて、図で研究の概要を解説するグラフィカルアブストラクトがあるとさらに効果的に研究の内容を伝えられるでしょう。

  • 優れたタイトルを書くためのコツはこちらもご参照ください。
  • 優れたアブストラクトを作成するためのコツはこちらもご参照ください。

いかがでしたか?

今回は腸内細菌叢と神経性食欲不振症の関連性に関する論文を、エダンズのエキスパートキャロル博士が解説しました。今後も興味深い研究について発信を続けていきますので、お楽しみに!

エキスパートが独自の視点で選んだ、エキサイティングな研究をご紹介!

著者
Fan, Y., Støving, R.K., Berreira Ibraim, S. et al.
出版年
2023
掲載誌
Nature Microbiology

研究者・著者の皆さまを、全力でサポートします

エダンズは、皆様が取り組む研究分野における研究のギャップを見つけだし、論文の校正、最適なジャーナル選択、そして研究の影響力を最大限に高めるためのコンテンツ作成まで、研究の全サイクルで一貫したサポートを提供します。

エダンズ・エキスパートのご紹介

Carol Wilson(キャロル・ウィルソン)

ネイチャー出版(現・スプリンガー・ネイチャー)やヨーロッパ呼吸学会での14年の編集経験を持つ生化学・分子生物学の専門家。内分泌学、糖尿病などのジャーナル編集に従事し、英語非母国語者の論文編集にも熟練。